本記事では、BtoB企業がE-A-Tなコンテンツを作成するために必要なマインドや具体的な方法論を解説する。

E-A-Tとは

Googleの検索品質評価ガイドラインでは「E-A-T」の重要性が述べられている。

Expertise(専門性) テーマが統一されており、問題が解決できる、新しい情報を得る、情報が網羅されているなど、
深く価値を得られる高品質なコンテンツであること。
Authoritativeness(権威性) 信頼できる第三者から評価されているコンテンツであること。
Trustworthiness(信頼性) オリジナル性が高く、コピーや模倣されたコンテンツではなく、
専門家としての認知や信頼性が得られていること。

Expertise(専門性)

例えば、レーザー加工機を製造・販売するメーカー企業がレーザー加工機に関するコンテンツを作成するとして、以下のような見出しが想定できる。

「専門性」で確認すべきポイントは以下の3つだ。

  1. テーマが統一されているか
  2. 問題が解決できるか(この記事だけで検索ニーズが満たされるか)
  3. 情報が網羅されているか

この3要件のどれかが欠落していると、この記事は「専門性が低い」とみなされる可能性が高くなるだろう。

Authoritativeness(権威性)

権威性は信頼できる外部リンクの数で決まる。

「専門性」と「信頼性」を担保した上で露出を増やし、ユーザーから「この情報は引用元としてふさわしい」と思わせることができれば、「権威性」を得ることができたと見ていいだろう。

Trustworthiness(信頼性)

「誰が書いた記事なのか」が明確でないコンテンツは「信頼性」があると言えないだろう。

また、自分以外の誰かが書いた記事をさも自分が書いたかのように振る舞うのも「信頼性」を毀損する。

BtoB企業の場合はそもそもWebサイト上に会社情報などが掲載されているケースがほとんどであるため、基本的には「信頼性」=「独自性」と捉えてしまって問題ない。

E-A-Tなコンテンツを作る

先述の要点をまとめると、E-A-Tなコンテンツの特徴は以下の5要素をクリアしていることになる。

  1. テーマが統一されている
  2. 問題が解決できる
  3. 情報が網羅されている
  4. 独自性がある
  5. 引用されやすい

先述の「レーザー加工機」というキーワードを当てはめると、以下のような条件となる。

  1. 「レーザー加工機」というテーマで統一されている
  2. 「レーザー加工機」のあらゆる問題が解決できる=あらゆる情報が網羅されている
  3. 「レーザー加工機」の独自のノウハウがある

要は、これらの条件をクリアできるようなコンテンツ計画を立て、実行するだけでいいのだ。

自分たちの専門領域を決める

まず先に決めるべきは、「独自のノウハウを活かせるテーマ=自分たちの専門領域」を決めることだ。

この場合、専門領域は広く取りすぎないほうが良い。

例えば、「レーザー加工機」を広げると「板金加工機」だが、自社にプレスブレーキや溶接機などのノウハウがなければ「専門性」という条件を達成できなくなってしまう。

一方で「レーザー加工機」を狭めると「切断用途」や「彫刻用途」に分類できるが、どちらかのテーマにより精通しているのであれば、さらに専門領域を絞るほうがよい。

理由としては、単純にテーマが広いほど工数がかかるからだ。

最初からテーマを広く取って工数をいたずらにかけるよりも、狭い分野でコンテンツを順次作成していくほうが無駄がないだろう。

ユーザーのニーズを知り、ターゲットを絞る

自分たちの専門領域が決まれば、早速コンテンツを書き出しそうになってしまうが、そのコンテンツが本当にユーザーが求めているものなのかを一度吟味したい。

多くのケースで、こういったコンテンツは現場の営業が書くことが多いが、何も考えずに作り出すとさすが営業、セールスレターのような内容になってしまう。

セールスレターは「今すぐあなたの商品が欲しい」という人以外には全く興味のないコンテンツだ。

ユーザーのニーズを知るには、直接ユーザーに聞くのが手っ取り早いが、現実的な方法としては既存ユーザーに聞いてみたり、過去にあった問い合わせや質問、クレームなどを洗い出し、そこからニーズをあぶり出すのが良いだろう。

あるいは、「明日入社してくる新卒1年目のための手引書を作る」というイメージを持つと、セールスレターにならず網羅的に情報を書き出すことができるのでおすすめだ。

つまるところ、「誰に向けて書いているのか」が明確でなければコンテンツのテーマもブレてしまう。

想定される主な読者をイメージし、その人に向けて書くつもりで何を書くかを決めていきたい。

書けることをすべて一気に書き出す

ターゲットを決め、そのターゲットに合わせてコンテンツを作っていくのだが、慣れないうちはまず書ける情報をすべて書き出してしまったほうが良い。

時に、「ターゲットは◯◯だからこれは書いても意味ないな……」というように、無意識にアウトプットを制限してしまうことがあるが、実はその中に独自性の高い情報が潜んでいることがある。

また、数日に分けて書き出すのもよろしくない。

というのも、情報を書き出しているときというのは、ひとつ前に書き出した情報をキーに「そういえばこういうのもあったな……」というように、連鎖して情報が引き出されるものであり、その流れを断ち切ってまた次の日に続きから書き出していくというのはかなり効率が悪い。

可能であれば1日のうちに、まとまった時間で一気に書き出すようにしたい。

ストーリーを作り、整理する

コンテンツのネタが出揃ったところで、どういったストーリーでそのコンテンツを見せていくのかを決める。

例えばこの見出しで、一番最初に「レーザー加工機の導入をお考えの方へ」が来るとどうなるだろうか。

通常、人は上から順にコンテンツを見ていくため、徐々に温度感を上げていき、最後のほうで落とし所に持っていくのが定石だ。

このように適切なストーリーラインを設計してから、どのストーリーにどのコンテンツを埋めていくのかを検討する。

まずは1記事にまとめる

「何文字くらい書けばいいんですか?」

これもよくクライアントから聞かれる質問だが、これに対する回答は「書けるだけ書いてください」となる。

内心は、「5万字書けと言えば書くんですか?」と聞きたいが、本質的に文字数とコンテンツの質というのは相関はするものの比例はしない。

おそらく、「何文字書けばいい」というのは、「何文字書けばSEO的に効果が出るのか」といった考え方が根底にあるのだろうが、それはコンテンツの読み手がユーザーであることを忘れ、検索エンジン(Google)に媚びを売るためにコンテンツを作ることが目的になってしまっている。

夏休みに先生から言われて書く読書感想文ではないため、文字数の下限などは存在しない。

まずは5万字でも10万字でもいいので、ありったけのノウハウを詰め込んだ渾身の1記事を作成すべきだ。

ユーザーが読みやすいように「削ぎ落とす」

とはいえ、さすがに5万字もある記事をユーザーは読みたいと思わない。

多くのユーザーはその5万字のうち数百文字だけで満足するだろう。

なので、渾身の1記事を作ったら、序盤に仮説立てているユーザーのニーズに合わせて、記事ごと切り分ける。

場合によっては重複している内容もあるだろうから、そういったものは記事ごと統廃合する。

本質的に必要ない表現はバッサリ削るなどして、文字数を減らしていき、読みやすい記事に仕上げていく。

「なら、最初から適切な文字数を目指して書いていけば効率的じゃないですか?」

あなたが詩人「賈島」のごとく、日々言葉の表現について考え続けているような隠れベストセラー作家であれば話は別だが、多くの人ははじめから質を追い求めることは現実的に不可能である。

記事を分割し、そしてつなげる

ユーザーのニーズに合わせて記事を分割していった結果、「レーザー加工機」に関する記事が、最初に作成した超大作を除いて3記事できたとする。

ここでもう一度、E-A-Tなコンテンツの条件をおさらいする。

  1. テーマが統一されている
  2. 問題が解決できる
  3. 情報が網羅されている
  4. 独自性がある
  5. 引用されやすい

それらの記事単体は、この条件のうち3以外を達成していることだろう。

  1. 「レーザー加工機」というテーマで書かれている
  2. ニーズごとに分けられているならば、当然問題解決につながっているはずだ
  3. (後述)
  4. 自分たちのノウハウを詰め込んでいるのだから、独自性はある
  5. 特定のニーズを解決するコンテンツは引用されやすい

では、3はどのようにして達成すればいいのか。

最初に作成した超大作が、3を達成しているコンテンツだ。

トピッククラスターモデルの応用

つまり、最初に作成した超大作は各記事をまとめる「まとめ記事」として、トピックの中心に据える。

各記事はまとめ記事を親ページとしてクラスターを形成する。

こうすることによって、クラスターを構成する3記事単体に網羅性が無くとも、それらを束ねるまとめ記事、ひいてはそのまとめ記事を所有するドメインそのものが網羅性を得るのである。

E-A-Tなコンテンツを作るときの注意点

安易にアウトソースしない

特に製造業がE-A-Tなコンテンツを作ろうと思ったら、基本的に外部のライターに任せることはできないと考えたほうがいい。

BtoB企業全般に言えるのが、一般に出回っている情報が少なく、外部のライターが事前に専門的な業界知識・情報を体得しているケースは稀だ。

また、取材しようにも情報漏えいを嫌う企業からは情報を得られないことも多いことから、完全に外部に丸投げでコンテンツを作成することは難しい。

少なくとも取材が必要なコンテンツの情報収集や書き出しは自社で行う必要があり、外部に任せられるのは校正程度と考えたほうが良いだろう。

ひとつのドメインに無理に詰め込まない

「テーマが統一されているか」という観点で、異なるテーマのコンテンツを無理やりひとつのドメインに詰め込むのは避けたほうが良い。

例えば、「レーザー加工機」と「研削加工機」であれば「板金加工機」という大きな括りで(ギリギリ)扱うことが可能だが、これらに加えて「潤滑油・切削油」というテーマを詰め込むのは難しい。

この場合は、「潤滑油・切削油」を別ドメインで展開したほうが良い。

むやみに新しいサイトを立ち上げない

一方で、むやみに別ドメインでWebサイトを乱立させるのも考えものだ。

管理・運用コストも問題だが、大きな括りでまとめることが可能なテーマであれば、同じドメインで展開したほうがSEO的に都合が良い。
(別ドメインで展開するよりもドメインパワーの恩恵を受けやすい)

同じWebサイト内であれば、テーマやコンテンツの重複が合った場合に統廃合が容易だが、ドメイン間でこのような問題が発生した場合、サンクコストの観点で統廃合の判断が難しくなるだろう。

YMYL領域では慎重に

YMYLとは「Your Money or Your Life」の略語であり、「人々の幸福、健康、経済的安定、安全に影響を与える可能性のあるページ」においては、特に高い評価基準を設けている。

評価基準は先に記載した「E-A-T」であり、YMYL分野ではより厳しく評価されるためコアアップデートによる順位変動の影響をかなり受けやすい。

YMYL分野(例えば医療系)では、たとえ本物の医者がコンテンツを監修、あるいは執筆していたとしてもアルゴリズムの変更で順位が乱高下しやすい。

この分野でコンテンツを展開する際には、特に「専門家による監修を受けているか」が重要であるため、自社にそういったリソースがない場合は外部のリソースを頼りたい。

YMYLに該当するページ

こちらも、Googleの検索品質評価ガイドラインで詳細が記載されている。

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参考文献・URL